こんにちは,心理ブロガーのセシルです🍀
今回は,「不安障害はたくさん種類があるよ! HSPやひきこもりとの関係は??」についてご紹介させていただきます。
不安障害はたくさん種類があるよ! HSPやひきこもりとの関係は??
私は,約30年かけて『社会不安障害(SAD,社交不安障害)』を克服しました (^^♪
病気を克服する道のりは,決して平坦ではありませんでしたが,主治医の先生と相談しながら,さまざまな本で専門知識や治療法を学び,
さまざまな事を体験してきたので,本記事でそれぞれの不安障害の概要について簡単にご紹介させていただきたいと思います。
社会不安障害(SAD,社交不安障害)とは??
『社会不安障害』とは,大勢の人の前で発表を行う時など,主に人から注目を浴びる場面で過度に緊張してしまい,さまざまな症状を伴う病気です。
社会不安障害は,英語でSocial Anxiety Disorderと表記され,その頭文字をとって『SAD』と略されます。
最近では,“社交”不安障害とよぶのが一般的であり,私が病院で受けた正式な診断名も『社交不安障害』でした。
社会不安障害(SAD,社交不安障害)は,重症の場合はひきこもりにも繋がりやすく(山田・山田, 2014),単なる社交場面における問題ではないため,当サイトでもあえて“社会”不安障害と呼称するようにしております。
病気を経験した元当事者(元患者)としても,社会不安障害という名称のほうが病名としてしっくりきます。
全般性不安障害(GAD)とは??
『全般性不安障害』とは,はっきりとした不安の原因や理由が分からずに,慢性的に過剰な不安を抱えている病気です(福西,2008)。
全般性不安障害は,英語でGeneralized Anxiety Disorderと表記され,その頭文字をとって『GAD』と略されます。
全般性不安障害の方は,落ち着きがなく,疲れやすく,うつ病も併発しやすいということが指摘されております(福西,2008)。
私が社会不安障害の治療をしていた頃,主治医の先生から「あなたは全般性不安障害の可能性もある」と言われたことがあります。
私は,後で気になって,「私は全般性不安障害かもしれないのですが,どうすれば良いでしょうか?」と主治医の先生に尋ねました。
すると,先生は「不安障害の根っこは同じだから治療方針に変わりはないです」と言われて安心しました。
全般性不安障害は不安障害の一種であり,基本的に社会不安障害の治療方法と同じで,薬物療法や精神療法が有効です。
強迫性障害とは??
『強迫性障害』とは,強迫観念にとらわれて,強迫行為を繰り返してしまう病気のことです(福西,2019)。
『強迫観念』とは,自分の意思に反して,何度も繰り返してしまう思考,言葉,イメージ,衝動のことであり,強迫観念による不安や恐怖を打ち消すために繰り返す行為を『強迫行為』といいます(福西,2019)。
例えば,ドアノブを触った後に手に雑菌がついていると思って,何度も手を洗い続けてしまったり,家の鍵をかけたかどうか心配になって,何度も確認を繰り返してしまうことなどが強迫行為です。
私自身も「家の鍵はちゃんとかけたかな?」,家を出る前に「エアコンは切ったかな?」,「ファンヒーターのスイッチは切ったかな?」等と心配になることがあります (^_^;)
それゆえ,何度も確認行為を繰り返してしまうことがありますね(汗)
仕事や学校に行く前に,強迫観念によって,強迫行為を繰り返してしまうと遅刻してしまいますよね。
そこで,1つおすすめの方法があります!
エアコンやファンヒーター,ストーブのスイッチなどを切った後にスマホで写真を撮影するのです。
後でちゃんとスイッチを切ったかどうか心配になっても,証拠写真を見れば安心することできますね!
スマホは撮影時間も記録してくれますから安心ですね (^^♪
パニック障害とは??
『パニック障害』とは,パニック発作と呼ばれる激しい発作を伴い,強い不安や恐怖に加えて,動機や息切れ,めまい,吐き気,冷や汗,手足のふるえやしびれ,呼吸困難などといった身体症状が現れる病気のことです(福西,2019)。
福西(2019)によれば,パニック障害の患者数は増えており,パニック障害は代表的な不安障害です。
SNSのアカウントのプロフィール欄にパニック障害であることを載せておられる方もたくさんいらっしゃいますよね。
私自身は,社会不安障害の治療をしていた頃も,病気を克服した現在もパニック障害であったことはなく,パニック発作などの症状を経験したことはありません。
ですが,『パニック障害』と『社会不安障害』は併発しやすい病気であるといわれております(山田・山田, 2014)。
私の知人にもパニック障害を抱えている方は複数人おられますし,特に配慮をして接するように心がけております。
心的外傷後ストレス障害(PTSD)とは??
『心的外傷後ストレス障害』とは,過去のつらい経験や悲惨な経験によって引き起こされる病気のことであり,心にウケた衝撃的なトラウマ(心的外傷)がストレスを生み,不安や緊張を引き起こします(福西,2008,2019)。
心的外傷後ストレス障害は,英語でPost – Traumatic Stress Disorderと表記され,その頭文字をとって『PTSD』と略されます。
主に,戦争体験,災害,事件,事故などの恐怖がトラウマとなることが多いですが,日常生活のささいな出来事でも発症することがあります(福西,2008)。
過去のトラウマによる苦痛や恐怖は社会的な不安ではないため,社会不安障害とは異なる病気です(山田・山田, 2014)。
その他の不安障害
不安障害には,他にも,公共の交通機関や公共の場など,逃げ出せない場所やすぐに助けを求めることが困難な場所を避けるようになる『広場恐怖症』,
愛着をもった存在と離れることを極度に恐れる『分離不安障害(分離不安症)』,
家族や親しい友人と話すことはできても,学校や知らない人など,特定の状況下において話せなくなってしまう『選択制緘黙』などがあります(福西,2019)。
HSPやひきこもりとの関係は??(余談)
以下,『不安障害』ではありませんが,似た概念や用語,関連があると思われるものをご紹介させていただきます (^^)
HSPとは??
『HSP』とは,Highly Sensitive Personの頭文字をとった略語であり,直訳すると「とても繊細な人」になります。
『HSP』と『不安障害』は非常によく似ていますが,『HSP』は病気ではありません。
HSPの方は,非常に繊細で敏感であるため,職場に機嫌の悪い人が1人いると,その人の事を気にし続けてしまったり,
他の人が気がつかないような些細なことが気になってしまい,疲れ果ててしまうことがあります。
HSPの方は,5人に1人いるといわれております。
SNSのアカウントでも,HSPであると自己紹介されている方は非常に多いですね (^^)
私自身もインターネットで性格傾向を診断すると,HSPであると判定されました (^_^;)
あがり症とは??
『あがり症』とは,その名の通り,緊張や不安が強くてあがってしまうことであり,医学上,正式な疾患名ではありません。
ですが,クリニックのホームページでは,社会不安障害(あがり症)と併記して紹介されているところは非常に多いです。
あがり症と社会不安障害はほぼ同義であり,社会不安障害のことを分かりやす言えばあがり症になるからです。
あがり症を社会不安障害の症状として捉えると,『スピーチ恐怖』や『赤面恐怖』が当てはまります。
『スピーチ恐怖』とは,人前で話をすることにひどく緊張する症状のことであり,『赤面恐怖』とは,顔が赤くなることに恥ずかしさや恐怖を感じている症状のことです。
あがり症の方は,人前での発表が苦手だったり,結婚式でのスピーチをお願いされると強い恐怖や不安を感じるかもしれませんね (^_^;)
私は学生の頃,授業中に急に先生に当てられて,顔が真っ赤になってしまうということがよくありました(汗)
社会不安障害を克服した今でも,人前でのスピーチは得意ではありませんし,学会で自分の研究を発表する時はいつも緊張します(笑)
対人恐怖症とは??
『対人恐怖症』とは,「人に会うことを恐れて避けようとしたり,人に会うと極度にどきまぎしたりする」ことです(スーパー大辞林)。
対人恐怖症も医学上,正式な疾患名ではありませんが,クリニックのホームページでは,社会不安障害(対人恐怖症)と併記して紹介されていることが多いです。
当サイトでも,分かりやすくイメージしてもらえるように,社会不安障害(SAD,対人恐怖症)と併記してご紹介させていただいております。
社会不安障害には,『対人恐怖』といって,相手が自分をどう思っているかなどが気になり,相手の心を深読みし過ぎてしまったりすることで,他人との関わりに苦痛を感じている症状があります。
家族や親しい友人の前では緊張しなくても,それ以外の人に対人恐怖を感じるということがあります。
その意味では『選択制緘黙』ともよく似ていますね。
社会不適合者とは??
『社会不適合者』とは,「一般的に周りや社会とうまくなじめていないと感じる人」のことを指します(株式会社マイナビワークス,2022)。
株式会社マイナビワークス(2022)によれば,「協調して行動することができない人」などを指し,「孤独感や生きづらさを感じており,仕事が長続きしないと悩む人も多い」とのことです。
SNSのアカウントでも『社不』と略されて自己紹介されている方をたくさんお見かけします。
私は「社不?? 社会不安障害のこと??」と思ってしまいました。
もちろん,両者はまったくの別物です。
『社会不適合者』とは流行りのネットスラングであり,『社会不安障害』は医学用語であるため,両者は全く異なるものです。
社会不適合者や社不という言葉は,SNSやネット掲示板でよく見かけられますが,一種の自虐ネタのように使用されていることが多いですね。
私もどちらかと言えば,1人で仕事をするほうが好きで,こだわりも強いので,社会不適合者の側面があるかもしれません(笑)
というのも,こういう通称には,血液型と性格の関連と同じように,誰にでも当てはまる表現や特徴があるからです。
すべてが完璧な人はいませんし,ちょっとダメなところもポンコツなところもその人の魅力だったりしますから,自分は「社会不適合者だ…」などと落ち込む必要はないですよ。
むしろ,自分で言える人は強いなと思います (^^)
不登校とは??
『不登校』とは,学生(生徒)が学校に登校していない状態のことです。
不登校が長期化すると,『ひきこもり』に繋がるケースもあります。
ひきこもりに繋がる不登校は,社会不安障害とも関連があります。
その理由については,ひきこもりの欄をご覧ください。
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ひきこもりとは??
『ひきこもり』とは,仕事や学校などの社会生活を送らず,家の中にひきこもってしまうことです。
ひきこもりの方は,ほとんど外出することがないか,自分の部屋からほとんど出てこないなどの場合があります。
私もかつてはひきこもりでしたし,社会不安障害という病気は,ひきこもりに繋がりやすいと言われています(山田・山田, 2014)。
ひきこもりの方すべてが社会不安障害というわけではありませんが,社会不安障害とひきこもりは関連が深いのです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は,「不安障害はたくさん種類があるよ! HSPやひきこもりとの関係は??」についてご紹介させていただきました。
あなたは,当てはまると感じるものがあったでしょうか??
もし,あなたが “つらい症状” や “生きづらさ” を抱えているなら,お近くの心療内科・精神科を受診されてみても良いと思いますよ。
『Cecil Lab(セシルラボ)』では,社会不安障害(SAD,社交不安障害)の体験談をたくさん発信しておりますので,いつでも遊びに来てくださいね (^^♪
あなたの心がほんの少しでも軽くなりますように🍀
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【引用文献・参考文献】
福西 勇夫 (監修) (2008) . 不安障害がよくわかる本
主婦と生活社
福西 勇夫 (監修) (2019) . ウルトラ図解 不安障害と
パニック——正しく理解して対応・克服する
ためのガイド—— 法研
株式会社マイナビワークス (2022) . 社会不適合者とは?
特徴・生き方・向いている仕事について解説!
マイナビジョブ20’s Retrieved from https://
mynavi-job20s.jp/howto/person_unfit_for_
society.html
(2023年3月9日)
貝谷 久宣 (監修) (2017) . 社交不安症がよくわかる本
講談社
上戸 えりな (2019) . HSPの教科書——HSPかな?
と思ったら読む本—— クローバー出版
木村 昌幹 (2009) . 精神科医が書いたあがり症はなぜ
治せるようになったのか 現代書林
岡田 尊司 (2019) . 社交不安障害——理解と改善のための
プログラム—— 幻冬舎
清水 栄司 (2014) . 自分で治す「社交不安症」 法研
スーパー大辞林 (三省堂書店)
武田 友紀 (2018) . 「気がつきすぎて疲れる」が驚く
ほどなくなる「繊細さん」の本 飛鳥新社
山田 和夫 (監修)・山田 和惠 (監修協力) (2014) .
図解 やさしくわかる社会不安障害 ナツメ社
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