


こんにちは,心理ブロガーのセシルです🍀
今回は,心理学において非常に有名な「同調」の理論について,現代社会を読み解きながら解説させていただきます。
同調とは??


「同調」とは,文字通り,他人の意見に合わせて同調することです。
心理学の研究において,人は自分の意見を変えてでも,他者の意見に合わせて「同調」する傾向があるとうことが頑健に示されております(e.g., Asch, 1951)。
また,「同調」が誘発される場面においては,自分以外の他者の人数が多いほど「同調圧力」は大きくなります。
1人の人に反対意見を述べられるよりも,10人に反対されたほうが自分の意見を言いにくくなりますよね。
現代社会における「同調」


「同調」は昔からどこでも起こりうる現象です。
横断歩道に並んでいて,前の人につられて信号無視をしてしまいそうになったり,会場でみんなが拍手をし始めて,自分も拍手をしたりします。
「同調」には,ほんの些細なことから大規模なものまであります。
それでは現代社会における同調行動について見ていきましょう。
コロナ禍における「同調」


コロナ禍においても同調行動は散見されます。
その代表例がマスクの着用です。
日本において,マスク着用を義務付ける法律はありません(2022年5月現在)。
つまり,マスクをしないことによる法的な罰則はありませんし,マスクを着用したくない方は着用しなくても良いということになります。
マスクは,夏は暑くて蒸れますし,冬はメガネが曇ってしまいますよね。
また,息苦しさを理由にマスクを外したいという方も少なくないと思います。
しかし,マスクを外して人目を気にせずに自由に過ごすことができるでしょうか?
ほとんどの方がマスクを外したくても,周りの目を気にしてマスクを外すことができないかもしれません。
日本において,マスクの着脱が自由になるのは,周りのみんながマスクをしているかどうかで決まると言っても過言ではありません。
これが心理学における「同調圧力」です。
ネット社会における「同調」


インターネット上では,攻撃的なコメントや極端な意見がたくさんあります。
本来なら多くの意見が自由に飛び交う場ですが,
たとえばニュースのコメント欄において,みんなが「賛成」と言っている時にあなただけ「反対」と言えるでしょうか。
言えないという方がほとんどだと思いますし,それが正常な反応です。
また思いきって反対意見を述べるとしても,そこには心理的な負担(コスト)がかかります。
それはインターネット上においても「同調圧力」が存在していることを意味しています。
いじめ問題における「同調」


学校や職場での「いじめの問題」においても同調は散見されます。
みんなが関わらない人だから自分も関わらないようにすることで,無視やハブも「同調」として広がっていくことがあります。
仲の良い友達がいじめをしていたら,自分の所属するグループで上手くやっていくために自分もいじめに加担(あるいは容認)してしまうということもあるかもしれません。
いじめは決して許されませんが,いじめには加害者や傍観者の間に「同調」の心理が少なからずはたらいているように思います。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は,心理学における「同調」の理論について,現代社会を読み解きながら解説させていただきました。
「同調」には悪い側面もありますが,同調の心理があるからこそ,みんなが同じルールを守って,社会秩序を維持することができるという良い側面もあります。
「同調」は集団で生活する人間社会にはどこでも存在する心理であり,一種の適応行動であるとも考えられます。
心理学は,良い側面と悪い側面を複眼的に考察することが大切ですね。



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【引用文献】
Asch, S. E. (1951). Effects of group pressure upon
the modification and distortion of judgment.
In H. Gentzkow (Ed.) Groups, leadership and
men. Carnegie Press.
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