こんにちは,心理ブロガーのセシルです🍀
私は,約30年かけて『社会不安障害(SAD)』を克服することができました (^^♪
今回は,「社会不安障害(SAD)がどうして治らないのか猫に例えて考えてみた」についてお話しさせていただきます。
社会不安障害(SAD,対人恐怖症)とは??
『社会不安障害』とは,ひとことでいえば『対人恐怖症』や『あがり症』のことです。
大勢の人の前で発表を行う時など,主に人から注目を浴びる場面で過度に緊張してしまい,さまざまな症状を伴う病気です。
社会不安障害は,英語でSocial Anxiety Disorderと表記され,SADと略されます。
最近では,“社交”不安障害とよぶのが一般的です。
社会不安障害(SAD)がどうして治らないのか猫に例えて考えてみた
私の経験上,『社会不安障害(SAD,社交不安障害)』は,非常に理解されにくい病気だと思います。
本人はもちろん,周りからも性格の問題だと思われがちですし,
私自身,「気にしすぎ」,「誰もお前のことかなんか見てない」などと言われ,よく馬鹿にされました (^_^;)
『社会不安障害』は,医学的な病気です。
症状の程度にもよりますが,重度であれば簡単には治りません。
たとえば,猫を例に考えてみましょう。
人間に対して強い警戒心をもち,恐怖で怯えたり,威嚇してくる猫はたくさんいます。
保護猫の場合,少しずつ距離を詰めていき,触れたりしながら人間に慣れてもらいます。
猫の人に対する警戒心を解くには,非常に長い時間がかかりますし,根気強く接し続ける必要があります。
ゆっくり時間をかけて,特別にやさしく接し続けることで,猫は次第に警戒心を弱めてくれるようになります。
それでも,飼い主や家族に対しては気を許せた猫でも,見知らぬ相手に対しては強い警戒心を示し続けたままの猫も非常に多いです。
「人間不信」や「対人恐怖症」を解くには,それだけの時間と他者からの根気強いサポートが必要なのです。
かわいがってもらえる猫でさえも,こんなに大変なのに,
“警戒心の非常に強い人間” が,こんなに優しく接し続けてもらえることはあるでしょうか??
動物に対しては優しく接することができても,警戒心の強い人に対して優しく接し続けてくれる人はあまりいないと思います。
男性の場合は,女性以上に顕著かもしれませんね (^_^;)
『社会不安障害(SAD)』になるのは,遺伝的な要素もあると言われておりますが,たいていは幼い頃につらい思いや怖い思いを経験していることが多いのです。
過去のトラウマの経験の数々が『社会不安障害(SAD)』の発症に関わっています。
特別に容姿に優れていたり,クラスの人気者でみんなからチヤホヤされ続けるでもない限り,過去のトラウマを払拭するほどの優しさは受けられないと思います。
一度,脳に刻まれた「社会や他者に対する恐怖」を取り除くのは非常に難しいのです。
まとめ
・『社会不安障害(SAD)』は,簡単には治らない
・猫の人間に対する恐怖心を解くことに例えて考えると分かりやすい
・人間は,猫のようにやさしく接してもらえることはほとんどない
いかがでしたでしょうか。
今回は,「社会不安障害(SAD)がどうして治らないのか猫に例えて考えてみた」についてお話しさせていただきました。
『社会不安障害(SAD)』は性格の問題と思われがちですが,脳の病気であり,
簡単に克服できそうに思えて,克服の道のりは非常に険しい病気だということを,元当事者として伝えたかったのです。
海外では,不安障害の生涯有病率は非常に高いとされる報告もあります。
『社会不安障害(SAD)』の克服には,自分自身の努力だけではなく,社会そのものが変わることが大きな助けになると思います。
ゆえに,私は『社交不安障害』ではなく『社会不安障害』と呼んでおります。
自分自身にも,他者にも,広い視野と理解をもって接してあげてくださいね🍀
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【参考文献】
福西 勇夫 (監修) (2008) . 不安障害がよくわかる本
主婦と生活社
福西 勇夫 (監修) (2019) . ウルトラ図解 不安障害と
パニック——正しく理解して対応・克服する
ためのガイド—— 法研
貝谷 久宣 (監修) (2017) . 社交不安症がよくわかる本
講談社
木村 昌幹 (2009) . 精神科医が書いたあがり症はなぜ
治せるようになったのか 現代書林
岡田 尊司 (2019) . 社交不安障害——理解と改善のための
プログラム—— 幻冬舎
清水 栄司 (2014) . 自分で治す「社交不安症」 法研
山田 和夫 (監修)・山田 和惠 (監修協力) (2014) .
図解 やさしくわかる社会不安障害 ナツメ社
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