こんにちは,心理ブロガーのセシルです🍀
(※写真は子どもの頃の私です)
今回は,「息子が語る『母子家庭の子どもで良かったこと・つらかったこと(体験談)』」についてお話しさせていただきます。
母子家庭といっても,離別や死別,養育費の有無や経済状況,支援者の有無など,さまざまなパターンによって随分違いがあるので一概には言えません。
あくまでも “私個人の体験談” のご紹介ということをご理解くださいますようお願いいたします。
私が母子家庭になった経緯
私は,研究者の父と専業主婦の母との間に,次男として生まれました。
そして,私が1歳の頃に父親が病気で亡くなったため,“母子家庭” となりました。
家族構成は,母,長男,次男の私の3人家族です。
息子が語る『母子家庭の子どもで良かったこと・つらかったこと(体験談)』
母子家庭の子どもで良かったこと
自由
母子家庭は,ガミガミうるさい父親がいないため,比較的自由度が高いと思います。
私の場合は,毒兄に相当苦しんだのですが,毒兄が実家を出てからは母親と二人暮らしになり,とても自由で気楽になりました。
学生時代も母が働いている間は家に1人だったため,まるで一人暮らしのように快適な生活を送ることができました。
何でもできるようになった
母子家庭にもよると思いますが,私の母は家事や掃除がまったくできないタイプの人だったので,私が家事をたくさんしてきました。
毒兄は家事や掃除をしたことがなく,本当に何もできません。
頼れる人がいなかったのはつらかったですが,それゆえ,私は家事,掃除,炊事,パソコンの設定や配線処理など,あらゆることができます。
家具の組み立てや修理,日曜大工も全て私がやります。
もし,専業主婦の母親がいたら,甘えきって何もできなかったかもしれません。
なぜか私の家では,父親役も専業主婦役も私が引き受けることになっていたのです(笑)
母子家庭の子どもでつらかったこと
経済的に困窮した
母子家庭の経済力については,それぞれ家庭の事情によって異なると思いますが,比較的経済的に困窮するケースが多いと思います。
私の場合,父親が1歳で病死して,貯金もほとんどなく,生命保険にすら加入していない父親だったため,家庭は非常に貧しくなりました。
まだ2歳の私を親戚の家に預けて,すぐに母が働きに出なければならない状況でした。
家に車があったことはありませんし,家族で旅行に行った事もほとんどありません。
また,日本社会において,「母子家庭」や「父子家庭」を支援する制度は全く十分ではありません。
ただ,母子家庭でも,離婚によって養育費を得られる場合もあるので,家庭によってさまざまだと思います。
子どもの頃は,毎日,母親に「お金がない,お金がない」と言われるのが本当に嫌で,大きなお願いごとはできませんでした。
著しい愛情不足になった
私は2歳から10歳までの間,日中は親戚の家(母の兄夫婦が住んでいる母の実家)に預けられていました。
子どもの頃は母に全く会えない日々だったので,母に目一杯甘えることができた日は一度もありませんでした。
もちろん,死んだ父親からの愛情も全く受けることができませんでした。
おまけに,預けられていた親戚の家で,毎日のように3つ年上の従兄からいじめを受けていました。
幼少期は地獄でしたね。
幼い頃の私は,自分では何が何だか分からないながらも,絶えずさみしさを感じ続けていました。
親から教育を受けられなかった
母子家庭でも子どもを医学部に合格させているようなお母さんもいますから,教育熱心な母親であれば十分な教育を受けられると思います。
しかし,私の母親は毎日の仕事に忙殺され,あまり他人に関心のないタイプの方だったので,お願いしても全く勉強を見てくれることはありませんでした。
負け惜しみかもしれませんが,「父が生きていれば,もっと高い教育を受けられて優秀になれた」という思いは今でもあります。
同性親の欠如
母子家庭・父子家庭には,”同性親の欠如” という問題があります。
同性親の欠如とは,息子なら父親を失うこと,娘なら母親を失うことです。
実は,これは社会において,けっこう見落とされている点です。
何が問題かと言うと,同性親の欠如によって,ロールモデルを失うのです。
ロールモデルとは,お手本となる人物のことです。
一緒に暮らしていれば,意識するしないに関わらず,自然と父親から男性性(母親なら女性性)を学ぶものです。
私の場合,父親の背中を追うことも反発することも一切できませんでした。
それゆえ,私は自分の可能性が分からず,真似をすることもできず,自分に何が向いていて何が向いていないのかを理解するのに人より多くの時間がかかりました。
私にとってこれは本当に切実な問題でした。
精神的に不安定になる
幼少期に愛情の欲求がほとんど満たされないまま大人になると,精神的に不安定になりやすいことが知られています(玉瀬,2004)。
これもつらいことでした。
なぜさみしいのかも分からず,なぜ心に大きな穴が開いているのかもずっと分からないのです。
「あなたには父親がいた」と言われても,実感することがどうしてもできないのです。
これについては,何歳の頃に母子家庭になったかが影響します。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は,「母子家庭の子どもで良かったこと / つらかったこと(体験談)」についてお話しさせていただきました。
良かったことよりもつらかった事のほうが多いので,大変申し訳ない気持ちなのですが,正直にお話しさせていただきました。
ただ,母子家庭にもメリットはありますし,デメリットも把握することで対処方法を考えることができます。
そして,母子家庭・父子家庭に関わらず,幸せいっぱいの家庭はたくさんあります。
私の人生経験が誰かの参考になりましたら幸いです。
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【引用文献】
玉瀬 耕治 (2004) . 第9章 動機付け——人を動かす要因
—— 無藤 隆・森 敏昭・遠藤 由美・玉瀬 耕治
心理学 (pp. 191-211) 有斐閣
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