『弱者男性』と『強者男性』を分けるものは?? 本当に努力の差??

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セシル

こんにちは,心理ブロガーのセシルです🍀

 今回は,「『弱者男性』と『強者男性』を分けるものは?? 本当に努力の差??」について,科学的な知見と私の考察を交えてお話しさせていただきます。

目次

『弱者男性』とは??

『弱者男性』とは??

 『弱者男性』とは,「日本社会のなかで独身・貧困・障害など弱者になる要素を備えた男性たち」のことを指すネットスラングです(現代ビジネス,2021)。

 男性に対して差別的に用いられる言葉ですが,『弱者男性』を自認している方も少なくありません。

 『弱者男性』は,とくに大人の恋愛市場において非常に不利であり,未婚率が高く,幸福度が低いことが分かっています。

 『弱者男性』は,社会からの風当たりも強く,自己肯定感が低く,孤独で生きづらさを抱えている現状が問題視されています。

セシル

 ちなみに,現在の私は,30代・独身・貧乏・恋人なし・頼れる人なし・実家暮らし・元うつ病・元不安障害 などなど…ですから,

 『弱者男性』であることを自認しております (^_^;)

 ※ただし,もっと苦しいハンデを抱えている方々もたくさんおられ,『弱者男性』の中にも程度の差があります。

男性なのに弱者??

 ジェンダー平等が掲げられている昨今,「男性なのに弱者なの?」,「男性が強者で,女性が弱者である」という声もあります。

 しかし,この『弱者男性』という言葉は,あくまでも社会における「男性内格差」を表す言葉であり,『弱者男性』と対になる言葉は『強者男性』です。

 つまり,「女性内格差」という視点に立てば,『弱者女性』と『強者女性』という議論になります。

 強者と弱者に大別される要因は男女で多少異なりますが,男女ともに強者は社会的に優位な立場にあり,弱者は社会的に劣位な立場にあります。

 今回は,『弱者男性』に焦点を当てて解説させていただきますが,女性内格差も深刻な問題です。

『強者男性』とは??

 『強者男性』とは,『弱者男性』の反対ですから,「日本社会のなかで既婚・裕福などの強者になる要素を備えた男性たち」と定義することができます。

 巷では「ハイスペック男子」と言われ,たとえば,イケメン,高収入,社会的地位が高い,コミュ力がある,既婚者または女性からモテるなどの要素があれば,紛れもなく『強者男性』ですね。

 『強者男性』を自認しているケースもあれば,周囲からそう認識されているケースなどさまざまだと思います。

 また,強者と弱者の分類だけではなく,その中間の層もありますし,中間が幅広くて最も多く,『強者男性』が比較的少ないと考えられます。

 なぜなら,「年収1000万円以上」を富裕層の条件としてあげられる方も多いのですが,あらゆるデータを見る限り,「年収1000万円以上」の人は,人口の上位約5%程度しかいないからです。

 また,イケメンや高身長で容姿に優れた人も,学年に数人いるかどうかくらいではないでしょうか。

(※もちろん,『弱者男性』と『強者男性』の定義によっても異なります)

『弱者男性』と『強者男性』を分けるものは?? 本当に努力の差??

 私は,「専門社会調査士」の資格を有しており,大学院生の頃に,日本人のビッグデータを分析していました。

 私自身の分析を含め,多くの研究者の分析によっても,親の学歴は子の学歴に,親の収入も子の学歴に影響することが明らかになっています。

 単純に,高学歴な親の子どもほど高学歴になり,高学歴な人ほど高収入になる傾向があります。

 そして,社会学の出した結論は,親が子どもの将来にどれだけ期待するかということが,子どもの将来に大きく影響するということです。

 あるドラマでは,子ども受験合格に必要なのは「母親の狂気である」というようなセリフがあったのですが,まさにその通りであり,親が子どもの将来にどれだけ本気で望むかということが,そのまま「教育投入量」に表れます。

 もちろん,環境だけではなく,遺伝子も強く影響していて,スポーツ選手の両親もスポーツ選手という事はよくあります。

 その場合,遺伝子においても,教育環境においても圧倒的に有利なのです。

 『弱者男性』は,「競争に負けた人たち」として表現されることも多いのですが,その競争はスタートラインから大きな差があり,人生一台で覆すことは非常に困難なのです。

 極端な話,良い遺伝子を受け継いで,経済的環境に優れ,教育に非常に熱心な両親という巨大スポンサーを持つ人たちと,そうではない人たちが同時に競争をして,ランダムな結果が出るでしょうか?

 統計の出す答えは,明確に “ノー” です。

 そして,私が伝えたいことは「統計的真実に絶望しろ」ということではありません。

 私も,若い頃に「母子家庭の子がいじめられやすい」という学者の研究報告の記事を読んで,母子家庭の子どもである私は大きなショックを受けました。

 ですが,現実を客観的に分析することで,自分自身をより深く理解することができます。

 「どのように生きれば自分が幸せになれるか」,「何に挑戦することが成功への近道となるか」,「困難に対してどのような努力が必要か」など,あらゆることをポジティブに考えられるのです。

 「客観的なマクロデータ」と「自分自身のこれまでの人生経験」から,自己を客観的に分析して,自身の将来や進路を決定することができます。

 また,『強者男性』の側は,「全て努力の差であり,弱者は怠惰なだけ」という考え方が誤った認識であることを理解することができますし,視野を柔軟に広げることができます。

 客観的な事実は,差別をなくすことや多様性への理解を深めることに貢献します。

 また,何事にも例外はあり,両親の最終学歴が中学卒業でも,子どもが医学部に合格することはありますし,家庭が貧乏であったがゆえに努力して,大人になってから資産家になるということもあります。

 絶対に覆せないというわけではないものの,とてつもなく巨大な力の影響を受けているという客観的真実を知っておくことが大切だと思います。

 ひとりひとり,スタートラインが全く違い,例外はあるにしても,多くの人がデータ通りになるという現実があるのに,

 「みんなが平等だ」,「環境のせいにしてはいけない」,「自分が悪いからダメなんだ」と思わなければならない短絡的な風潮では,自己(あるいは他者)を追い込んで,精神を病んでしまうこともあります。

まとめ

 いかがでしたでしょうか。

 今回は,「『弱者男性』と『強者男性』を分けるものは?? 本当に努力の差??」について,科学的な知見と私の考察を交えてお話しさせていただきました。

 もちろん,何事にも努力が必要ですし,努力の質量によっても成果は大きく変わります。

 また,例外も常にあります。

 ですが,私たちが人間以外の生物を研究する視点と同じように,人間を外から見れば,全体的な傾向が確かに存在するということも事実です。

 『強者男性』になるために最も多く用いられている方法が,強者の元に生まれ,幼少期から質量ともに高い教育を受けることであるにも関わらず,

 すべての人は平等であり,本人の努力と責任で将来が決まるという “嘘” を教える偽善社会のほうが私は残酷だと思います。

セシル

 私自身は,統計的にも,現実的にも,『強者男性』になるのは非常に難しいと思います。

 それでも異常な努力によって成功して,”例外” になろうと考えているタイプの人間です (^_^;)

 そして,当サイトを通して,同じ社会的弱者である方々や生きづらさを抱えている方々への支援を続けていきたいと思っております🍀 

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【引用文献】

現代ビジネス (2021) . 日本の被差別階級「弱者男性」
  の知られざる衝撃実態…男同士でケアすれ
  ばいいのか 講談社 Retrieved from
  https://gendai.media/articles/-/83163
  (2023年9月19日)

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