こんにちは,心理ブロガーのセシルです🍀
私は,約30年かけて『社会不安障害(SAD)』を克服することができました (^^♪
今回は,私の「ジェイゾロフト(セルトラリン)の体験談」についてお話しさせていただきます。
あくまで,私の体験談とはなりますが,できる限り詳細にご説明させていただきたいと思います。
ジェイゾロフト(セルトラリン)とは??
『ジェイゾロフト』とは,うつ病,うつ状態,さまざまな不安障害,パニック障害などの治療で処方される抗うつ薬で,SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)の一種です。
セロトニンの働きを高める作用があり,不安や落ち込みといった症状を改善します。
夕食後1日1回の服用でOKです。
比較的副作用が少ないとされ,最初の抗うつ薬として選択されることが多いようです。
25mgから始めて100mgまで増量することができます。
ジェイゾロフトは,後発医薬品(ジェネリック医薬品)の『セルトラリン』があります。
SSRIとは??
『SSRI』とは,Selective Serotonin Reuptake Inhibitorの頭文字を取った略語です。
日本語では『選択的セロトニン再取り込み阻害薬』と訳されます。
セロトニンとは,不安や緊張を抑えて,感情を安定させる神経伝達物質のことです。
SSRIによって,文字通り,神経間で放出されたセロトニンの再取り込みを阻害することによって,
脳内のセロトニン濃度を上昇させ(または維持して),うつや不安の症状を改善するはたらきがあります。
ジェイゾロフト(セルトラリン)の体験談
私は『社会不安障害(SAD,対人恐怖症)』と診断されて,初めて処方された薬がジェイゾロフトです。
ジェイゾロフトには後発医薬品があるので、節約のためにセルトラリンを処方してもらいました。
社会不安障害について,詳しく知りたい方は下記の記事をご覧ください。
服用開始からの経過(私の場合)
服用開始 ~ 1週間
服用開始から最初の3日間ほどは軽いめまいから始まり,一時的に強いめまいもして呂律が回らないこともありました。
後頭部に強めの頭痛が続いて,イライラしました。
副作用の影響で食欲も減退して,一時的に体重も少し落ちました。
明らかに自分の体に,脳に,変化が起き始めているというのを感じました。
1週間 ~ 2カ月
1週間前後で,服用初期の副作用は消えていき,効果が出てきました。
まるで天にも昇るような幸せな気持ちになり,すごく体が軽くなりました。
ベッドで寝ていると体がそのまま宙に浮いていきそうな感覚でした。
これまでの苦しみが嘘のようでした。
ずっとうつ状態で体が重かったのですが,やはり「自分はダメだ」と思い続けていました。
薬を飲んで,嘘のように体が軽くなったことで,
「ああ,やっぱり心だったんだ,自分がダメだと思っていたけど,心が軽くなれば体はこんなにも動くんだ」と悟りました。
この経験が私の中にある病気に対する偏見を完全に払拭しました。
「もっと早くこの薬の存在を知っていれば,もっと早く飲んでいれば」と悔やみました。
2カ月 ~ 2年
服用後1カ月~2カ月は,心がぽかぽかするような夢見心地が続いたのですが,
次第に体が慣れ始めたのか,最初に感動したほどの効果を感じなくなりました。
ただ,人間関係でつらい出来事があったりもしたので,その影響もあるかもしれません(服薬中も不安になったり,落ち込んだりする出来事はあると思うので,それも影響すると思います)。
最初の感動こそはないものの服薬中は比較的安定しており,常に不安が2割~5割ほど軽減されているような感覚でした。
私が感じたメリット・主作用
不安が軽減された
不安感が2割~5割ほど軽減されました(状況や時期によって波があります)。
不安感がやわらぐと,次第に笑顔も増え,だいぶ生きやすくなりました。
集中力が回復した
不安が軽減したおかげで,集中力が劇的に回復しました(読書や勉強に集中できるようになりました)。
仕事や勉強のパフォーマンス向上
不安が軽減し,集中力が回復したおかげで,多くの成果をあげることができました。
私にとっては,これが最大のメリットでした。
私が感じたデメリット・副作用
頭がぼーっとする
これはメリットでもありますが,一応小さなデメリットとしてこちらに分類させていただきます。
頭がぼーっとするような気がして,嫌な事を思い出しにくくなります。
それは良い事なのですが,他の出来事も同時に思い出しにくくなります。
勉強等の記憶力への悪影響は全くなかったのですが,普段の出来事などのエピソード記憶に関してはとくに鈍くなったように思いました。
※『エピソード記憶』とは,個人の経験や出来事に関する記憶です。出来事の内容やそのときの感情などが含まれます。
毎日 服用し続けなければならない
毎日,服用すること自体は私は苦ではありませんでした。
ただ,飲み忘れると不安になります。
とくに出張や旅行などの出先で薬を忘れた場合は,非常にナーバスになります。
ドラッグストアなどで気軽に買えるものではありませんし,必ず病院に行って処方箋をもらわなければなりません。
また,病院も次回の予約の分までしか薬を処方してくれないため,体調を崩して病院に行けないと,薬が途切れてしまいます。
薬が切れたり,出先で飲むことができずに,望まぬ形で急な断薬を余儀なくされると『離脱症状』が生じてしまうため,薬を入手するまで精神的なプレッシャーがかかります。
体重増加
これが最もつらい副作用でした。
私は服用後の健康診断で代謝が落ちていることが判明しました。
代謝が落ちる事によっても体重が増加したと思います。
ただ,それ以上に体重が増加した原因は,食欲が止まらなくなったことです。
体型を気にして,何度もダイエットを決意して計画を立てましたが,食欲をコントロールすることはできませんでした。
私の知人も服薬されている方がいたのですが,やはり食欲が増えて,体重が増加してしまったとのことでした。
精神科医の先生方は「元気になって食欲が戻った」とよく言われるのですが,これは自信をもって否定させていただきます。
服薬当初,私の体重は66kgでしたが,2年間の服用で体重が95.4kgにまで増加しました。
痩せたいと思っても,とにかく食欲がとまりませんでした。
あまりに体型が変わってしまったため,人に会ったり,外出するのが億劫になり,持っている服も全て着れなくなりました。
※スポーツなどの趣味のある方は,急激な体重増加によってパフォーマンスに大きな影響を及ぼし,怪我のリスクも増大するので要注意です。
精神科医の先生方は,もしかすると患者を不安にさせないために配慮されているのかもしれませんが,
私は体重増加については患者にとって非常に深刻な副作用だと思いますので,薬を処方する前にこの点についても十分に説明してほしいと思っております。
というのも太るのは簡単ですが,一度太ってしまうと簡単には痩せられないからです。
太っていることが新たなストレスにもなります。
周りに太ったことをいじられたり,聞かれても,
精神疾患で薬を飲んでいるということを人に話すのは容易ではないため,非常につらい思いをしました。
※ただ,ジェイゾロフト(セルトラリン)は,抗うつ薬の中では比較的太りやすい薬ではないといわれております。
断薬時の離脱症状
薬をやめる際は,早く痩せたいという気持ちがあり,すぐにでも断薬したいと思いました。
そのため,減薬のペースが早かったかもしれません。
離脱症状がきつくて,服用初期と同じ後頭部の頭痛に加えて,常にムシャクシャするような感じで,イライラが止まりませんでした。
それが原因で人間関係に支障をきたしてしまいそうなほどだったので,
主治医の先生に相談して,減薬のペースをさらに緩やかにしたことで離脱症状は収まりました。
主治医の先生と話しましたが,私の場合,2年間毎日服用していたので,私の体は薬がある状態が当たり前だと思っているということでした。
それが急になくなるのだから,体が適応できずに離脱症状が強く出たということです。
「薬をやめたい」,「卒業したい」と思った時は,すぐにでも断薬したくなるものですが,
主治医の先生と相談して,慎重にゆっくり減薬していくことを強くおすすめいたします。
離脱症状は,服薬初期の副作用よりもきついものでしたが,少しずつ慎重に減薬していくことで離脱症状を最小に抑えることができます。
性欲の減退
性欲の減退をデメリットと捉えるかどうかは人それぞれ違かもしれませんが,副作用としてデメリット側に分類させていただきました。
『性機能障害』というような大きな問題(不能になるなど)はなかったのですが,性欲が著しく減退したように思います。
ただ,それを苦痛に感じることはありませんでしたし,断薬後には正常の状態に戻りました。
ジェイゾロフト(セルトラリン)の体験談:まとめ
・薬にはメリットとデメリットがあります
・症状が重い場合には,薬を飲んだほうが良いと思います
いかがでしたでしょうか。
今回は,私の「ジェイゾロフト(セルトラリン)の体験談」についてお話しさせていただきました。
あくまで,私個人の体験談であり,薬の主作用・副作用には個人差があります。
焦らずに,ご自身に合った薬を主治医の先生とよく相談して決めてくださいね。
私にとって,体重増加が最もつらかったことですが,この薬を服用したことを全く後悔しておりません。
本当に服用して良かったと思っております。
この薬のおかげで,体調や集中力が回復し,笑顔が戻ってきました。
当時,大学院生だった私は,研究に集中することができるようになり,多くの成果を上げることができました。
体重増加さえなければ,もっと長く服用し続けていたかもしれません。
薬の作用には個人差がありますが,基本的に長期間服用する薬であるため,
直近の副作用だけでなく,長期服用での副作用の体験談(患者の声)が必要かつ非常に重要であると考え,記事にさせていただきました。
あらかじめ体重増加の可能性を考慮して,服用後も健康的な食生活を崩さないように注意すれば,ある程度対応できると思います。
そして,もちろん長期服用でも体重増加されていない方もおられます。
繰り返しになりますが,薬を服用する際は主治医の先生と十分に相談してくださいね。
心療内科・精神科の受診や服薬を迷っている方などに参考にしていただけましたら幸いです。
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【参考文献】
福西 勇夫 (監修) (2008) . 不安障害がよくわかる本
主婦と生活社
福西 勇夫 (監修) (2019) . ウルトラ図解 不安障害と
パニック——正しく理解して対応・克服する
ためのガイド—— 法研
貝谷 久宣 (監修) (2017) . 社交不安症がよくわかる本
講談社
木村 昌幹 (2009) . 精神科医が書いたあがり症はなぜ
治せるようになったのか 現代書林
岡田 尊司 (2019) . 社交不安障害——理解と改善のための
プログラム—— 幻冬舎
清水 栄司 (2014) . 自分で治す「社交不安症」 法研
杉田 尚子 (編)・諏訪 太郎 (編) (2020) . 精神科の薬
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抗認知症薬・・・はや調べノート――
村井 俊哉 (監修) メディカ出版
山田 和夫 (監修)・山田 和惠 (監修協力) (2014) .
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