こんにちは,心理ブロガーのセシルです🍀
今回は「元ひきこもりが語る『ひきこもりから社会復帰する方法(体験談)』」について,元ひきこもりの私からアドバイスさせていただきます。
現在ひきこもり中である方,ひきこもりのお子さんのいる親御さんに向けて,
比較的若年層(小さなお子さん~20代あるいは30代)のひきこもりの方に向けてお話しさせていただきます。
『ひきこもり』とは??
『ひきこもり』とは,仕事や学校などの社会生活を送らず,家の中にひきこもってしまうことです。
ほとんど外出することがないか,自分の部屋からほとんど出てこないなどの場合があります。
私の場合,高校卒業と同時に18歳から20歳までひきこもり,20歳の時に大学進学を機としてひきこもりから脱しました。
同じひきこもりであっても,接客業をこなせるくらいのコミュニケーション力があり,ひきこもりであることを気にせずに自己紹介できるという方は何の心配もありません。
ひきこもりをやめればいいだけです。選択肢はたくさんあります。
あくまで,過去の私と同じように不安や緊張が強くて,社会不安障害(SAD,対人恐怖症)の可能性がある方,
またはプライドが高くて,ひきこもりであることを恥ずかしいと思ってらっしゃる方に向けてアドバイスさせていただきます。
私がまさにそうだったので安心してくださいね (^^)
元ひきこもりが語る『ひきこもりから社会復帰する方法(体験談)』
ひきこもりから社会復帰するプロセスについて,ステップに分けてご紹介させていただきます。
どのステップから始めても大丈夫です。
ステップ 1:脱ひきこもりを目指す
まず,ひきこもっているご本人が「ひきこもりをやめたい」,「ひきこもり生活から抜け出したい」と強く願わないことには始まりません。
「ひきこもり続けたい」
「ひきこもりが幸せだ」
と心から感じている場合は非常に難しいです。
「今の生活から抜け出したい」という気持ちが強いほど,ひきこもりから脱するために多くの事に挑戦できるからです。
まずは社会復帰を望むことがスタートです。
「社会人になって親の負担を減らしたい」
「大学生になって青春したい」
など理由は何でも大丈夫です。
ステップ 2:リハビリテーション
人と社会に慣れる
まず,家から外にどれだけ出れるかという事が「ひきこもり度」を示す一つの指標になります。
たとえば,「全く外に出られない」,「人と会うことがない深夜にしか外に出られない」などと,人と会うことを極端に避けてしまっている場合は,まず人や社会になれる必要があります。
具体的には,朝散歩に行く,カフェや図書館で過ごすなど,少しでも社会との交流をもつようにしましょう。
詳しくは下記の記事を参考にしていただけましたら幸いです。
病院やカウンセリングセンターに通う
ひきこもっている方は,うつ状態などの精神疾患を発症していることが少なくありません。
その場合は専門的なケアやサポートが必要です。
心療内科・精神科への偏見をもたずに,あなたのプラスになると思って受診してみてください。
カウンセリングセンターなどに通うのもおすすめです。
医師やカウンセラーの先生との関わり,待合室で他の患者の方々と同じ空間で過ごすこと,
そこまでの道順もすべて社会との繋がりであり,社会復帰のためのリハビリテーションとなります。
※医師やカウンセラーの先生とあなたの相性もあるので,合う合わないで場所を変えることになっても,それも全てあなたの経験となりますから安心してくださいね。
ステップ 3:ひきこもりから社会復帰・実践編 ①
それでは実践編にいきます。
1日ボランティア
アルバイトや仕事の経験のない方が,いきなりアルバイトをするのはハードルが高いと思いますので,ボランティア活動に参加されてみてはどうでしょうか。
1日や数日程度のものがおすすめです。
ボランティアは立派な社会貢献ですし,賃金が発生するアルバイトよりも比較的やさしく接してもらえると思います。
1日アルバイト
アルバイト経験があまりない方なら,1日だけや短期のアルバイトをお勧めします。
接客系のアルバイトはお勧めしません。
私は無理をして接客系のアルバイトに挑戦して,上手くいかず余計に自信を失ったという経験があります(汗)
確実にこなせそうなアルバイトから始めて,着実に自信をつけていくことが大切です。
お勧めは健康器具などのモニターです。
たとえば,血圧を1時間繰り返し測定して,交通費込みで4000円程度もらえたりします(金額は,内容や場所によって異なります)。
給与ではなく謝礼金として支払われることが多く,お客様と同じような態度で接してもらえることが多いです。
一般のアルバイトなら,あまりお客様と関わらない仕事がお勧めです。
私はお正月にお皿洗いの短期アルバイトをしたことがあります。
アルバイトは仕事なので,先輩や上司からきついことを言われることもありますし,どんな職場にも嫌な人はいます。
仕事とはそういうものだと思ってください。
ステップ 4:ひきこもりから社会復帰・実践編 ②
学校に通う
小学校・中学校・高校に復帰するという道があります。
通っていた学校に復帰するというのも良いですし,別の学校に転校するのも良いと思います。
通信制の高校もありますし,私がひきこもっていた頃に比べると社会の認知度や理解が広がっているように感じます。
私の場合,大学進学を機として社会復帰しましたが,中学・高校の頃の友人に会うのが嫌だったため,
家から通える範囲で出身の中学・高校とは離れた別の県の大学に進学しました。
もちろん,経済的に余裕のあるご家庭ならば,下宿をして地方や都心の大学・学校に進学するのも良いと思います。
誰もあなたのことを知らない場所のほうが気楽なので,新しい環境のほうがはるかに”再スタート”をきりやすいからです。
小学校・中学校・高校の場合は,もし可能なら転校も視野に入れてみてください。
通っていた場所に復帰するというのは誰でも億劫になりますし,ひきこもりになった原因のある場所かもしれません。
元プロ野球選手の松井秀樹さんの言葉に「逃げるんじゃない,自分から好きな世界を選ぶんだ」というものがあります。
これはいじめられている生徒に向けて,新聞で紹介されたコラムの一文です。
私はこの言葉が好きです。
同じ学校に戻るのも,学校を変えるのも,どちらも勇気ある選択です。
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進学のために予備校・塾等に通う
大学進学などを目標とする場合,予備校や塾に通うのも良いです。
ただし,費用がかかるので親御さんとよく相談してみてください。
母子家庭や父子家庭などのひとり親家庭の授業料が割引になるという塾もあるので,
ご家庭の事情によっては,そういったサービスを実施している塾等もよく調べてみてくださいね。
また,不登校の生徒などを支援する「適応指導教室」や「フリースクール」なども増えています。
こちらも各地域ごとに調べてみてくださいね。
アルバイトをする
もし,あなたが仕事をしたことがない場合は,いきなり長期のアルバイトをするのは少しレベルが高いかもしれないので,あまりお勧めしません。
ただ,アルバイトをすれば「フリーター」になれますし,フリーターも立派な社会人です。
進学するにしても,就職するにしても,履歴書の空白を埋めることができるため,ひきこもりの身分よりはフリーターのほうが有利です。
続けられそうな仕事があれば,アルバイトから始めても良いと思います。
ステップ 5:ひきこもりから社会復帰・実践編 ③
就職する
ひきこもりから社会復帰するプロセスにおいて,就職は最難関だと思われますが,
高校・大学卒業後などに,ひきこもりになった方は,こちらのステップから検討するのも良いと思います。
希望職種については,やりたい事がはっきりしている場合は,達成できそうかどうかで判断するのが良いと思います。
やりたい事が分からない場合は,逆にやりたくない事からはっきりさせて消去法で選択するという手もあります。
やりたい事を模索する場合は,あなたのプライドや周りからの評価を一旦忘れて,できる限り自分に正直になって,本当に好きな事を考えてみてください。
人の好みや傾向というものは幼少期からあまり変わりません。
過去の自分はどうだったかを思い出して考えてみることが近道です。
ひきこもりから社会復帰する方法(体験談):まとめ
・まず,ひきこもり生活をやめたいと強く願うこと
・小さなステップから始めて着実に自信をつけていくことが大切
もちろん,どのステップから始めても大丈夫です。
無理をして挫折するよりも,確実にできそうなところから始めることをお勧めいたします。
そして,できれば家族の理解やサポートがあることが望ましいです。
ひきこもっている方へのアドバイス
「なんとかしなきゃ」と焦っている方,痛いほど気持ちが分かります。
私は2年間のひきこもり生活でしたが,10年間独房にいたような気持ちで本当につらかったです。
焦る気持ちは「あなたを成長させるエネルギー」となってどこかで昇華できます。
初めは小さなステップから始めてみてください。
病院などに行く必要がある場合は,焦らずに,まずあなたを大事にしてあげてください。
”急がば回れ”です。
焦りのエネルギーは,これからやりたい事としてノートに書き溜めて,温存しておきましょう。
私は社会復帰した後に1つずつ時間をかけて昇華していきました。
どうしても社会に出る事ができない事情のある方は,家の中でできる仕事を模索するというのでも良いと思います。
最近では,オンラインでできる仕事も増えているので,あなたの状況に合わせてベストな選択をしてくださいね。
親御さんへのアドバイス
ひきこもっているご本人は,親御さん以上に現状を気にしていたり,焦っているケースも多いです。
私がひきこもった頃,私の親はパニックになって,私が「誰にも言わないでほしい」とお願いしていたにも関わらず,
親戚や近所の方に話して,私のプライバシーを侵害していました(汗)
一度解き放った言葉は二度と返ってきません。
傷つけられた人の心の中にずっと残り続けます。
お子さんの年齢に関わらず,1人の人間として認めて尊重してあげてください。
無駄にプライドを傷つけたり,攻撃するようなことをしてしまっても,より殻に閉じこもるようになるだけでプラスはありません。
相談が必要な場合は,守秘義務のある医師やカウンセラーの先生のところにまず親御さんだけで行って,お子さんのことを相談してみるというのも良いと思います。
最後に
当サイトでは,便宜上,社会的に浸透している「ひきこもり」という言葉を使用させていただいておりますが,私はこの言葉があまり好きではありません。
「ひきこもり」と言われるのは私もつらかったですし,侮辱的な意図で「ひきこもり」という言葉を使用しないように気をつけていきたいと思っております。
「ひきこもり」といっても,さまざまなパターンがあると思われますので,本記事を一つの参考としてとらえていただけましたら幸いです。
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